何故卵を茹でると旨味は下がるのか

 

先日、味博士の味覚センサー「レオ」を用いて、卵の茹で時間と旨味の減少について考察(AISSY記事)しました。

卵の味って?

味には5つの種類があります。卵の5味のバランスは以下のようになっています。旨味強いですね。
tamago_mikaku

卵を茹でると旨みが下がった

卵を茹でることで変化があったのは、5味のうち旨味だけでした。また、旨味と黄身の平均温度(シミュレーションにより算出)の時間変化をプロットしたところ、黄身がしっかり固まる温度(80℃)付近で急激な旨味の減少が始まることがわかりました。
york-umami
以上より、卵の旨味が下がる原因が、黄身が固まることと関係があることが考えられます。

そもそも、なぜ卵は茹でると固まるのか?

意外と考えたことがなかったかもしれない、卵の液体は固まるとどこへ行くのか?という謎ですが、
もちろん、卵の内側の水が殻を通り抜けて蒸発した、ということは考えられません。そのメカニズムは、以下のようになります。

卵黄のタンパク質は水溶性であり、常温の状態では卵の持つ水分に溶けている。
⇒卵に熱を加えると、タンパク質が変性する。その変性プロセスで、タンパク質が溶けていた溶媒が変性するタンパク質の構造内に取り込まれる。

旨味って何なのか?

甘味、酸味、塩味、苦味、うま味。人が感じられる味は大きくこれら5つと言われています。旨味は、グルタミン酸、イノシン酸のようなアミノ酸によって生じる味です。生物の構成成分であるタンパク質はこのアミノ酸からできている、という説明がよくされます。しかし、生物の全てのアミノ酸がタンパク質になっているのではなく、アミノ酸の形で細胞組織内や血液内に存在します。
人間がタンパク質(動物の肉、卵)を食べたときに感じる旨味は、タンパク質ではなく、もっと小さな構成要素であるアミノ酸です。主に舌の上の味蕾(味を感じる器官。主に舌の上にある)の受容体(レセプターとも。タンパク質により出来ている)に、アミノ酸が刺激を与え、旨味を感じるのです。

本題:なぜ旨味が下がったのか

以上を踏まえて、旨味が下がった理由は、以下のように考えられます。

(1)卵のタンパク質は常温では水溶性であるため、水に溶解している。1)卵のたんぱく質は、水に「溶解」するのか「分散」するのか、どちらが用語として正しいんでしょう?「分散」の方が広い概念なので間違えはないと思うのですが。その状態では、アミノ酸の遊離度が大きい、もしくは蛋白質の末端から分離しやすいため味蕾で旨味を感じやすい。
(2)タンパク質が熱変性し凝固する過程でアミノ酸を凝固に巻き込んだ、もしくは、凝固する=結合が強まることでタンパク質の末端から分離しにくくなる結果、味蕾に到達する量が減る。2)Facebook経由で窪田お兄さんから頂いた説をそのまま流用。もうちょっと調べて自分の言葉で書き直そうと思います。

他の味がほぼ減少していないことを考えると、(2)の方が有力かなと思うのです。専門家の方、是非コメントを頂ければ幸いです。

References   [ + ]

1. 卵のたんぱく質は、水に「溶解」するのか「分散」するのか、どちらが用語として正しいんでしょう?「分散」の方が広い概念なので間違えはないと思うのですが。
2. Facebook経由で窪田お兄さんから頂いた説をそのまま流用。もうちょっと調べて自分の言葉で書き直そうと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です